月刊経理ウーマン オススメ記事のご紹介

最新号ではこんな内容が掲載されています。
■2025年4月号(3/20発行)
特別企画/投資促進税制の改正 防衛特別法人税の新設
特別企画/投資促進税制の改正 防衛特別法人税の新設
扶養控除等の見直し 特定親族特別控除の新設…
「令和7年度税制改正」─会社と個人にこんな影響があります
●経理担当者のための「おさらい個人住民税」
●「決算書」を税理士さん任せにしてはいけないこれだけの理由
●誰も教えてくれなかった「困った部下」の取扱い説明書
●「節税・脱税・租税回避」の違いが分かる30分講座
●「経理ウーマン」の定年退職後の青写真─わたしはこんなことを考えています
●ウォーキング・ジョギングで使ってみたい「面白&便利」グッズカタログ
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(財前直見さん)
●「決算書」を税理士さん任せにしてはいけないこれだけの理由
●誰も教えてくれなかった「困った部下」の取扱い説明書
●「節税・脱税・租税回避」の違いが分かる30分講座
●「経理ウーマン」の定年退職後の青写真─わたしはこんなことを考えています
●ウォーキング・ジョギングで使ってみたい「面白&便利」グッズカタログ
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(財前直見さん)
今月号の記事
経理ウーマン4月号/
特別企画/投資促進税制の改正 防衛特別法人税の新設
扶養控除等の見直し 特定親族特別控除の新設…
「令和7年度税制改正」─会社と個人にこんな影響があります
税理士 森 康博
皆さん、こんにちは。毎月、本誌連載の「実務レッスン講座」でE子や部長とともにお世話になっております、税理士の森と申します。今回は税制改正について皆さんと勉強していきたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。それでは、始めていきましょう!
毎年税制改正が行なわれるのは当たり前?
皆さんもご承知のように、税制改正は毎年あるものです。そんなものだと言われてしまうと、「それはそうか」なんてそこで思考を停止してしまうかもしれません。ただ、経理や税務の仕事をしていると、毎年の税制改正の内容を理解して、ついていくのは大変だと実感されているのではないでしょうか。
これは経理や税務の仕事に限ったことではありませんが、単に「当たり前のこと」として受け入れるのではなく、なぜ税制改正が毎年行なわれるのか、その理由を知っておくと、税制改正への理解が深まり、社内への周知がスムーズにいくなどのメリットも生まれます。
では、税制改正はなぜ毎年行なわれるのでしょうか。税制改正が毎年ある理由、それは税を司る国税庁の上部組織、財務省のホームページをあたってみると分かります。財務省ホームページの「身近な税」のQ&Aに「税制改正のプロセスについて教えてください」という問いがあり、それに対して毎年税制改正がある理由が次のように説明されています。
① 社会経済の変化に十分対応できるよう、その仕組みを不断に見直す必要がある。
② 租税特別措置も絶えずそのあり方を検討する必要がある。
③ 検討にあたっては、国民各層や各種団体の税制改正要望等を踏まえている。
④ 例年、予算編成作業と並行して、税制改正の作業が行なわれている。
①では、社会情勢の変化に税も対応する必要があるためとあり、これは我々も理解できるところです。近年では日本よりはるか離れた国での戦争が日本の貨幣価値に影響を与え、物価の上昇を招いています。
物価の上昇は外的要因だけでなく、日本のマイナス金利の終了といった金融政策をもってしても抑制することができていません。物価の上昇に伴って給料や賃金も上がらないと困ってしまうね…といった局面を見て、税制を考える必要がある、ということですね。
毎年税制改正が行なわれるのは当たり前?
皆さんもご承知のように、税制改正は毎年あるものです。そんなものだと言われてしまうと、「それはそうか」なんてそこで思考を停止してしまうかもしれません。ただ、経理や税務の仕事をしていると、毎年の税制改正の内容を理解して、ついていくのは大変だと実感されているのではないでしょうか。
これは経理や税務の仕事に限ったことではありませんが、単に「当たり前のこと」として受け入れるのではなく、なぜ税制改正が毎年行なわれるのか、その理由を知っておくと、税制改正への理解が深まり、社内への周知がスムーズにいくなどのメリットも生まれます。
では、税制改正はなぜ毎年行なわれるのでしょうか。税制改正が毎年ある理由、それは税を司る国税庁の上部組織、財務省のホームページをあたってみると分かります。財務省ホームページの「身近な税」のQ&Aに「税制改正のプロセスについて教えてください」という問いがあり、それに対して毎年税制改正がある理由が次のように説明されています。
① 社会経済の変化に十分対応できるよう、その仕組みを不断に見直す必要がある。
② 租税特別措置も絶えずそのあり方を検討する必要がある。
③ 検討にあたっては、国民各層や各種団体の税制改正要望等を踏まえている。
④ 例年、予算編成作業と並行して、税制改正の作業が行なわれている。
①では、社会情勢の変化に税も対応する必要があるためとあり、これは我々も理解できるところです。近年では日本よりはるか離れた国での戦争が日本の貨幣価値に影響を与え、物価の上昇を招いています。
物価の上昇は外的要因だけでなく、日本のマイナス金利の終了といった金融政策をもってしても抑制することができていません。物価の上昇に伴って給料や賃金も上がらないと困ってしまうね…といった局面を見て、税制を考える必要がある、ということですね。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン4月号/
around 50 around 60…リタイアまであと少し
「経理ウーマン」の定年退職後の青写真
─わたしはこんなことを考えています
語学勉強、体力維持につとめてボランティア活動に没頭したい
竹内由紀絵(57歳)
竹内由紀絵(57歳)
現在は社会福祉関係の仕事をしています。この道35年です。物心ついたころから、お年寄りと子供たちが一緒に過ごせる施設を作りたい!と夢に見て、広告紙の裏に園舎や園庭の絵を書くようなおかしな子供でした。当時、4年制の社会福祉学科のある公立大学は少なくて、目標校に入るために猛勉強しました。
大学卒業後は現場で働きたくて、実習に行かせてもらった特別養護老人ホームに介護職として就職しました。この施設は大学の社会福祉学科の卒業生が介護職として4名働いておられ、まだパソコンもない時代に介護を科学的に研究するという画期的な施設で、大変学ぶことが多かったです。
結婚、出産を機に現在の法人に就職してから今年2月で34年目になります。介護職、指導員職、介護支援専門員を経て、現在は施設長をしていますが、小さな施設ですので、経営運営だけでなく経理関係もパート職員さんにヘルプしてもらいながら担当しています。今の職務に就いたときから「経理ウーマン」誌には大変お世話になっています。経理会計の世界は初めてでしたので、簿記を一から勉強しなければならず、決算前後は大変苦労しましたが、経営する上で大切な知識を身に付けることができてとても良かったと思っています。
当法人は66歳を定年としているので、この5年ぐらいの間で後任を育てるという大仕事があります。介護業界は社会情勢等により厳しく動いており、決して楽ではありません。法人の使命を心に強く持つ後任者に伴走しつつ、安心してバトンタッチしたいと考えています。その時その時の役割を全うするために突っ走ってきた人生でしたが、バトンタッチというゴールに向かって最後の大仕事をやり遂げたいという気持ちです。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン4月号/
通常ではありえない取引でも合法と判断されることがある?
この際きちんと理解しておこう!
この際きちんと理解しておこう!
「節税・脱税・租税回避」の違いが分かる30分講座
税理士・公認会計士 大野 修平
企業が事業活動を行なう上で、必ずついて回るのが「税金」の問題です。税金は社会を支える基盤でもあり、利益を得る企業に課せられる当然の負担と言えます。しかし、経営者の多くは「可能な限り税金を減らしたい」と考えがちです。これは決して不自然なことではなく、キャッシュフローの改善や投資余力の確保の面からも当然な思考と言えるでしょう。
ところで、この「税金を減らす」という目的を実行に移す際には、合法的な節税以外にも、明確な違法行為(脱税)を伴ったり、一見違法ではないが不自然な取引(租税回避)など、さまざまなグレーな領域も存在します。経理担当者としては、社長の意向を汲み取りながらも、知らず知らずのうちに犯罪行為に手を染めるような事態は防がなければなりません。
ところで、この「税金を減らす」という目的を実行に移す際には、合法的な節税以外にも、明確な違法行為(脱税)を伴ったり、一見違法ではないが不自然な取引(租税回避)など、さまざまなグレーな領域も存在します。経理担当者としては、社長の意向を汲み取りながらも、知らず知らずのうちに犯罪行為に手を染めるような事態は防がなければなりません。
また、租税回避と言われる手段の中には、後から否認される可能性が高いものもあるため、慎重に見極めることが大切です。
ちなみに節税・脱税・租税回避のそれぞれの内容は以下のとおりです。
節税:法律が想定している優遇策を正しく使う → 合法で推奨される手段
脱税:売上隠しや架空経費などで税負担を不正に回避 → 明確な違法行為
租税回避:不自然な取引形態を利用し、法の抜け穴を突く → 違法かどうか判断しにくいが、実務上は厳しく取り締まられる傾向
経理担当者は、この3つの違いをしっかり理解していなければ、いざというときに会社や自分自身を守れません。本稿では、それぞれの定義や具体例、規制状況などを詳しく解説していきます。
ちなみに節税・脱税・租税回避のそれぞれの内容は以下のとおりです。
節税:法律が想定している優遇策を正しく使う → 合法で推奨される手段
脱税:売上隠しや架空経費などで税負担を不正に回避 → 明確な違法行為
租税回避:不自然な取引形態を利用し、法の抜け穴を突く → 違法かどうか判断しにくいが、実務上は厳しく取り締まられる傾向
経理担当者は、この3つの違いをしっかり理解していなければ、いざというときに会社や自分自身を守れません。本稿では、それぞれの定義や具体例、規制状況などを詳しく解説していきます。
(詳しくは本誌をご覧ください)
前月号の記事
経理ウーマン3月号/
特集/P/Lでは黒字なのになぜお金がない!? その謎を解くカギがここにある!
「キャッシュフロー計算書」のことがみるみる分かる講座
税理士法人古田土会計取締役/税理士 川名 徹
まずは「キャッシュフロー計算書」が必要な理由を理解しておこう
決算書には、財務3表と呼ばれる3種類の書類があります。貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)です。このうち、キャッシュフロー計算書は中小企業では作成義務がないのでなじみが薄く、見たことがない、見方もわからないというお話を経営者や経理担当者の方からよく聞きます。
京セラ、KDDIの創業者である稲盛和夫さんの著書、「稲盛和夫の実学」の中に、創業期の稲盛さんと経理の間でこのようなやりとりがあります。
今期は利益が出たので、経理部長に「儲かったお金はどこにあるのか?」と稲盛さんが 聞くと、経理部長は、「利益は様々なものに姿を変えているので、どこにあるとは明確に言えない」と答えます。稲盛さんが「利益が出たから株主に配当しないといけないが、その金はどこにあるのか」と聞くと、「配当のための資金は銀行から借ります」との返答。「それは本当に儲かったと言えるのか?」と言うと、経理部長は、「それでも儲かったと言うのです」と答えます。
稲盛さんはこれがどうしても納得できなかった、なぜそのようなことになるのかという話が出てきます。これはまさに会計とキャッシュの違いという、キャッシュフロー計算書が必要な本質の問題です。
「儲かったお金はどこにあるのか」「儲けた利益はどこに消えたか」がわからず悩んでいる経営者は世の中に本当にたくさんいます。この経営者のお悩みに対して、経理担当者はキャッシュフロー計算書を使って、適切に説明する必要があります。
決算書には、財務3表と呼ばれる3種類の書類があります。貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)です。このうち、キャッシュフロー計算書は中小企業では作成義務がないのでなじみが薄く、見たことがない、見方もわからないというお話を経営者や経理担当者の方からよく聞きます。
京セラ、KDDIの創業者である稲盛和夫さんの著書、「稲盛和夫の実学」の中に、創業期の稲盛さんと経理の間でこのようなやりとりがあります。
今期は利益が出たので、経理部長に「儲かったお金はどこにあるのか?」と稲盛さんが 聞くと、経理部長は、「利益は様々なものに姿を変えているので、どこにあるとは明確に言えない」と答えます。稲盛さんが「利益が出たから株主に配当しないといけないが、その金はどこにあるのか」と聞くと、「配当のための資金は銀行から借ります」との返答。「それは本当に儲かったと言えるのか?」と言うと、経理部長は、「それでも儲かったと言うのです」と答えます。
稲盛さんはこれがどうしても納得できなかった、なぜそのようなことになるのかという話が出てきます。これはまさに会計とキャッシュの違いという、キャッシュフロー計算書が必要な本質の問題です。
「儲かったお金はどこにあるのか」「儲けた利益はどこに消えたか」がわからず悩んでいる経営者は世の中に本当にたくさんいます。この経営者のお悩みに対して、経理担当者はキャッシュフロー計算書を使って、適切に説明する必要があります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン3月号/
売上の計上漏れ 期間のズレ 経費の二重計上…いろいろあります
税務調査でよくある「指摘事項」とその対策教えます
サン共同税理士法人 パートナー税理士 近藤 昴
皆さんは税務調査にどんなイメージを持っていらっしゃいますか? 「税務調査」と聞くと、まるで警察の捜査のようなものを想像される方もいらっしゃるかもしれません。その響きから、税務調査に対して過度に恐怖を感じる方もいるでしょう。その一方で、事業者にとって税務調査は避けて通ることができないイベントでもあります。
相手を知ることは、適切な対応をするための第一歩です。税務調査に臨むにあたっては、必要以上に怖がる必要はありません。正しい情報を手に入れ、冷静に対応することで、スムーズに乗り越えることができると考えています。
ここでは、私自身の経験をもとに、税務調査の基本的な概要から実際に起こり得る事例までをまとめました。税務調査についての理解を深めるための一助となれば幸いです。
税務調査の件数は以前より増加傾向にある
まず最初に税務調査の実施件数を見ておきましょう。直近のデータを見ると、2022年(令和4年度)の法人税申告数約313万件に対して、6万2000件の税務調査が実施されています。この数値は、法人全体の約2%に相当しますが、注目すべきは調査件数がコロナ後に増加している点です。コロナ禍では一時的に調査件数が激減しましたが、経済活動が再開したことで税務調査も過去水準に戻りつつあり、それも増加傾向にあります。
ところで皆さんは、税務調査の連絡を受けたとき、「なぜ自分の会社が対象になったのか」と疑問に思うかもしれません。財務省資料の説明では、「国税総合管理システム(以下「KSKシステム」)は、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、申告・納税の事績や各種の情報を入力することにより、国税債権などを一元的に管理するとともに、これらを分析して税務調査や滞納整理に活用する」との説明があります。「KSKシステム」では、会社の申告データや資料情報がデータベースで一元管理され、調査対象の選定に利用されています。
税務調査の対象者は無作為に選ばれるわけではなく、調査の効率を最大化するために、優先順位があると考えられています。調査官にとっての成果は、調査によって指摘した誤りや、それに伴う追加の税額や加算税です。そのため、調査対象としては、金額規模が大きく、不審な点が多い事業者が優先される傾向にあります。
相手を知ることは、適切な対応をするための第一歩です。税務調査に臨むにあたっては、必要以上に怖がる必要はありません。正しい情報を手に入れ、冷静に対応することで、スムーズに乗り越えることができると考えています。
ここでは、私自身の経験をもとに、税務調査の基本的な概要から実際に起こり得る事例までをまとめました。税務調査についての理解を深めるための一助となれば幸いです。
税務調査の件数は以前より増加傾向にある
まず最初に税務調査の実施件数を見ておきましょう。直近のデータを見ると、2022年(令和4年度)の法人税申告数約313万件に対して、6万2000件の税務調査が実施されています。この数値は、法人全体の約2%に相当しますが、注目すべきは調査件数がコロナ後に増加している点です。コロナ禍では一時的に調査件数が激減しましたが、経済活動が再開したことで税務調査も過去水準に戻りつつあり、それも増加傾向にあります。
ところで皆さんは、税務調査の連絡を受けたとき、「なぜ自分の会社が対象になったのか」と疑問に思うかもしれません。財務省資料の説明では、「国税総合管理システム(以下「KSKシステム」)は、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、申告・納税の事績や各種の情報を入力することにより、国税債権などを一元的に管理するとともに、これらを分析して税務調査や滞納整理に活用する」との説明があります。「KSKシステム」では、会社の申告データや資料情報がデータベースで一元管理され、調査対象の選定に利用されています。
税務調査の対象者は無作為に選ばれるわけではなく、調査の効率を最大化するために、優先順位があると考えられています。調査官にとっての成果は、調査によって指摘した誤りや、それに伴う追加の税額や加算税です。そのため、調査対象としては、金額規模が大きく、不審な点が多い事業者が優先される傾向にあります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン3月号/
大切なのは長期・計画的に資金を積み立てること
「社長の退職慰労金」─こんなふうに準備しよう!
ファイナンシャルプランナー 平野敦之
まずはじめに退職金という制度の全体像について確認しておきましょう。一定期間に渡って労働を提供したことなどに基づいて、その対価として退職時に給付金を支払う制度を「退職給付制度」といいます。退職給付制度には、「退職一時金制度」「企業年金制度」「これらを併用した制度」があります。退職金というと一時金をイメージする人が多いでしょうが、会社が導入する制度としては企業年金制度も退職給付制度の1つなのです。
会社によって役員退職慰労金のみで良いケースと、従業員の福利厚生も兼ねた退職給付制度を導入したいケースがあるでしょうから、自社に必要な内容に当てはめて考えてください。ここでは経営者の役員退職慰労金を軸にみていきます。
なお、一般の従業員の退職金は退職金規定に基づいて支給しますが、役員退職慰労金支給するには定款の定めか、株主総会の決議が必要です。
この役員退職金には大きく分けて「退職慰労金」と「死亡退職金」の2つがあります。退職慰労金は経営者など役員が退職したときに支払われる慰労金です。死亡退職金は万が一のことがあって在任中に死亡した際に遺族に支払われるものです。
役員退職金というとリタイヤ後に受け取るものだけをイメージしがちですが、死亡退職金もあるのです。特に経営者の場合には、代表者本人のマンパワーで会社を回しているケースが多いため、万が一のときの借入金の返済や当座の運転資金はもちろんですが、遺族の生活資金についても頭に入れておきたいところです。
会社によって役員退職慰労金のみで良いケースと、従業員の福利厚生も兼ねた退職給付制度を導入したいケースがあるでしょうから、自社に必要な内容に当てはめて考えてください。ここでは経営者の役員退職慰労金を軸にみていきます。
なお、一般の従業員の退職金は退職金規定に基づいて支給しますが、役員退職慰労金支給するには定款の定めか、株主総会の決議が必要です。
この役員退職金には大きく分けて「退職慰労金」と「死亡退職金」の2つがあります。退職慰労金は経営者など役員が退職したときに支払われる慰労金です。死亡退職金は万が一のことがあって在任中に死亡した際に遺族に支払われるものです。
役員退職金というとリタイヤ後に受け取るものだけをイメージしがちですが、死亡退職金もあるのです。特に経営者の場合には、代表者本人のマンパワーで会社を回しているケースが多いため、万が一のときの借入金の返済や当座の運転資金はもちろんですが、遺族の生活資金についても頭に入れておきたいところです。
(詳しくは本誌をご覧ください)
前々月号の記事
経理ウーマン2月号/
特集/決算日までにやるべき事前準備から税金対策まで
「決算準備&決算対策」に強くなる3時間セミナー
税理士 定岡佳代
今回の特集テーマは「決算」です。経理の皆さんにおいては、決算はどんなイメージでしょうか? 決算の時期が近づいてくると「忙しい」とか「大変」というイメージが先行し、決してウキウキするものではないと思います。しかし、経理の皆さんが日々積み重ねていることの集大成が「決算」です。経理職を続けていく上では毎年訪れるイベントですから、できるだけ不安なく、なんなら余裕をもって決算期を迎えたいですよね。
本稿では、まず「そもそも決算とは何か」を確認したあと、LESSON1から3に分けて、日々の仕訳入力、決算準備、税金対策についてレクチャーします。この機会にぜひ決算のあれこれをマスターして、「スーパー経理WOMAN」にレベルアップしましょう!
本稿では、まず「そもそも決算とは何か」を確認したあと、LESSON1から3に分けて、日々の仕訳入力、決算準備、税金対策についてレクチャーします。この機会にぜひ決算のあれこれをマスターして、「スーパー経理WOMAN」にレベルアップしましょう!
決算は事業を続けていく上で避けては通れないイベント
さて、そもそも決算は、なぜ必要なのでしょう。じつは企業は、会計基準において採用されている「継続企業の前提」という考え方をもとにして活動しています。この考え方とは、「企業は将来に渡って事業活動を継続していくという前提条件のもとに、財務諸表の開示を行なう」というもので、英語では「ゴーイングコンサーン(going concern)」といいます。
企業(会社)は利益を生むことを目的に活動しますが、利益を生むためにはまず資金が必要です。会社設立時には株主から資本金を募りますし、運転資金が足りないようでしたら金融機関から融資を受ける選択肢もあるでしょう。企業がずっと事業活動をしていくためには、株主や金融機関との関係が欠かせないのです。このような株主、金融機関など、会社の事業活動に関係のある相手のことを「利害関係者(ステークホルダー、stakeholder)」と呼びます。
企業(会社)は利益を生むことを目的に活動しますが、利益を生むためにはまず資金が必要です。会社設立時には株主から資本金を募りますし、運転資金が足りないようでしたら金融機関から融資を受ける選択肢もあるでしょう。企業がずっと事業活動をしていくためには、株主や金融機関との関係が欠かせないのです。このような株主、金融機関など、会社の事業活動に関係のある相手のことを「利害関係者(ステークホルダー、stakeholder)」と呼びます。
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経理ウーマン2月号/
基本知識から迷いがちなケースまで
「役員退職金」の税務取扱い―こんなときはどうなる?
税理士 出口秀樹
職業人生の集大成ともいえる退職金。従業員の定年が60歳から65歳へと延びつつある時代においても、退職金は老後の生活を考えるうえで、金銭面をささえる最も重要なファクターといえます。従業員の退職金は、それぞれの会社で定めている「退職金規程」に基づき、勤務年数と役職、貢献度に応じて支給されるため、いくら退職金が出るかはあらかじめ分かります。
一方で、役員の退職金はどうでしょうか? 大企業などの一定規模の会社であれば、「役員退職金規程」が整備され、その規定に基づいた支給が行なわれることになりますが、中小企業の場合、それら規程が整備されていないところも多いはずです。さらに、中小企業では、いわゆる事業承継問題が解決されていないケースも多く、いつまでたっても社長という人は数多く存在しています。
しかし、個人の幸福を考えると、中小企業の経営者でも次の世代に上手に事業を承継して、老後の生活に困らないだけの退職金の支給を受けるというのが理想と考える人は多いはずです。
役員退職金は税務的な取扱いが従業員のそれと異なることが多くあります。また、金額的には“お手盛り”になるようなことが多く、そこでも問題となることもあります。本稿では、このような役員退職金の税務的な取扱いについて、色々なケースを想定しながら解説していきます。
「役員退職金」の税務取扱いの基本を押さえておこう
「役員退職金」の税務上の取扱いを考えるうえで大切なことは、支給する側と支給される側の双方での税務上の取扱いを考慮しなければならないということです。支給する側は会社、支給される側は退職する役員ということになりますが、退職金の税務の取扱いは両者の事情を勘案したうえで支給額、タイミング、支給方法などを考えていかなければならないのです。
まずは、それぞれの立場から税務的な取扱いの基本を見ていくことにしましょう。
会社が役員に支給する退職金で適正な額のものは、損金の額に算入されます。その退職金の損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。ただし、会社が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められます。
一方で、役員の退職金はどうでしょうか? 大企業などの一定規模の会社であれば、「役員退職金規程」が整備され、その規定に基づいた支給が行なわれることになりますが、中小企業の場合、それら規程が整備されていないところも多いはずです。さらに、中小企業では、いわゆる事業承継問題が解決されていないケースも多く、いつまでたっても社長という人は数多く存在しています。
しかし、個人の幸福を考えると、中小企業の経営者でも次の世代に上手に事業を承継して、老後の生活に困らないだけの退職金の支給を受けるというのが理想と考える人は多いはずです。
役員退職金は税務的な取扱いが従業員のそれと異なることが多くあります。また、金額的には“お手盛り”になるようなことが多く、そこでも問題となることもあります。本稿では、このような役員退職金の税務的な取扱いについて、色々なケースを想定しながら解説していきます。
「役員退職金」の税務取扱いの基本を押さえておこう
「役員退職金」の税務上の取扱いを考えるうえで大切なことは、支給する側と支給される側の双方での税務上の取扱いを考慮しなければならないということです。支給する側は会社、支給される側は退職する役員ということになりますが、退職金の税務の取扱いは両者の事情を勘案したうえで支給額、タイミング、支給方法などを考えていかなければならないのです。
まずは、それぞれの立場から税務的な取扱いの基本を見ていくことにしましょう。
会社が役員に支給する退職金で適正な額のものは、損金の額に算入されます。その退職金の損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。ただし、会社が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められます。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン2月号/
採用面でアピールできて従業員にもメリットが大きい
「奨学金返還支援制度」の内容と利用心得
社会保険労務士 佐佐木 由美子
若手従業員を苦しめる奨学金の返済負担
昨今、学生時代に借り入れた奨学金の返済に困窮する若い世代が増加しています。日本学生支援機構の「令和4年度 学生生活調査」によると、奨学金を受給している学生の割合は、大学(昼間部)で55.0%、短期大学(昼間部)で61.5%、大学院修士課程で51.0%、大学院博士課程で58.9%となっており、いずれも過半数を超えています。
概して20代のうちは給与水準が高いとはいえないことから、若手の従業員にとって奨学金の返済負担は決して少ないものではありません。そこで、近年は企業が福利厚生の一環として行なう「奨学金返還支援制度」が注目を集めています。
「奨学金返還支援(代理返還) 制度」とは、日本学生支援機構の貸与奨学金(第一種奨学金・第二種奨学金)を受けていた従業員に対し、企業が返還残額の一部または全部を機構に直接送金することにより従業員を支援する制度です。支援要件によっては、返還支援対象者である従業員からも日本学生支援機構へ一部を返還します。肩代わりする金額や、月払いか一括払いかなどは企業側が決められます。
(詳しくは本誌をご覧ください)
「月刊経理ウーマン」
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)